偏食の連鎖

偏食の連鎖

ものすごく偏食の激しい友人がいます。

彼女と一緒にランチに行くと……。

「貝は全部ダメだから」

「エビもカニも苦手だから」

こんな感じなので、彼女と食事に行けるお店のジャンルというと、どうしてもファミリーレストランかバイキング形式のレストランになってしまい……。

何でも食べる雑食性の私にとって、ごく限られたものしか口にできない彼女はある意味宇宙人でした。

食べ物の好き嫌いというのは、生理的な部分もなきにしもあらずですが、子ども時代の食生活というのもおおいに影響しているようです。

私は彼女が豆ごはんからグリーンピースをよけて食べ、レーズンロールからレーズンを、たこ焼きからタコをほじくり出して食べているのを見たとき、

「この人はいったいどんな子ども時代を送ってきたのだろう?」

と不思議に思ったものです。

聞くところによると、彼女は小さいころに両親が離婚し、お父さんが男手一つで育ててくれたそうです。

お父さんに引き取られた彼女は、いわゆる「手作りの家庭料理がのぼる食卓」とは縁遠い生活をしてきたのだとか。

「お父さんは帰りが遅かったから、いつも私がご飯を炊いて、近所のお総菜屋さんで適当におかずを買って食べてたよ」

こんなふうに、食に対する興味がほとんどわかないまま、彼女は大人になったようです。

お父さんが亡くなってから遅い結婚をし、二児の母になった彼女ですが、彼女のお子さんたちもかなりの偏食。

お母さんが嫌いなものは必然的に食卓にのぼらないので、子どもたちもやはり、貝だのタコだのエビだのカニだのドライフルーツだの、そういったものは口にできません。

刺身も全般的にダメなので、うまれてこのかたお寿司をいうものを食べたことがない、とも言っていました。

私の母は、食べ物の好き嫌いに非常に厳しい人でした。

本人が料理好きだったということもありますが、

「女の子は食べ物の好き嫌いしてちゃお嫁にいけないよ。あなたが嫌いなものは、きっとあなたの子どもも嫌いになるからね」

と脅されたものです。

おかげさまで、大人になった今では何でも食べられる人間になりました。

食べるもののことに限らず、あれこれ厳しい母ではありましたが、今となっては彼女に感謝しています。

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お菓子のこと

コンビニに行くと、お菓子売り場でしばし時間を忘れてしまう。新発売のお菓子など、手にとり、おいしそうだな、変わってるなとチェックしてしまう。

まだ食べたことのないスナック菓子や、パティシエとコラボしたなんたらとか、おお、輸入菓子もいいなと目移りする。

でも結局買うのはいつもだいたい同じ。

お菓子にもスタンダードがある。クラシックがある。

例えばかっぱえびせん。例えばカール。

例えばベビースターラーメン。例えばチップスター。

ポテトチップスもあれこれ浮気しても、結局最後は「のり塩」味。カールはカレー味だし、甘いものがよければ「きのこの山」か「キャラメルコーン」。「アポロ」も好きだ!(いちご味のチョコレートですね)

私が子どもの頃、このテのスナック菓子と一線を画していたのが「いただきもの」の高級お菓子である。

泉屋のクッキー。缶入りのこのクッキーは、どれを食べるか迷うのだった。ピーセン。しょっぱくて食べはじめると止まらなくなる。それからヨックモック。シガールという細長いクッキーが定番だった。

この三種の神器は、お中元お歳暮の主役たちであった。夏と冬にはこれら高級お菓子がおやつにあがった。母が宅配で届けられた紙包みをあけるときは息をつめて側で見つめた。

どうぞお酒ではありませんように。どうぞ珈琲ではありませんように、と。

ゴディバがお歳暮にやってきたときの衝撃は忘れられない。美しい金色の包み紙をはがすと引き出し式の2段重ねで、そこにチョコレートが宝石のように並んでいたのである。

母親から「一日2個だけ」と厳命された。

厳命されてガッカリしたのだが、実際にはがっかりしたのは最初だけだった。高級すぎて、その味の良さが今ひとつわからなかった。

「アポロのほうがいい」

そう言って、高級志向の母を嘆かせた。

今、わが家はお中元などほとんどいただかないから、わが家の子どもたちにとっては高級お菓子というとたまに父親が買って帰るケーキだろう。

夫は夫で子どもの頃の記憶で「何かいいことがあるとトップスのチョコレートケーキ」「中ぐらいのいいことがあると不二家のケーキ」という不文律があったようで、その通りにお土産を選んで来る。

庶民派のわが家である(笑)